勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
「紫衣、話を聞いてくれないか…」
私の腕を掴む力強い手とは反対に弱々しい良君の声。
もういいの…
そんなに苦しそうな顔しなくていいよ。
今までずっと一緒で楽しかったんだよ。
私は良君と一緒にいてとっても幸せだったんだよ。
だから謝らないで…
好きだよ良君。
だけど…
今日を境に良君は私の大好きな人じゃなくて好きだった人に変えていかなきゃいけないんだもん。
だから…
もう優しくしないで…
守ろうとしないで…
大丈夫だよって笑って伝えたいから…
だから今は1人にして下さい。
今は逃がして下さい。
きっと笑うから…
それまで…