勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
「勝手なことばっかり言わないでよ。
紫衣を傷つけて…
今までずっと黙ってて今更何の話があるっていうの?
最低だよ!!
石田も真衣も!!」
何も言えない私を庇うために芽衣ちゃんは良君に口調激しくつかみかかった。
「紫衣、頼むから話を聞いてくれ。
このまま誤解されたまま卒業なんて出来ねぇよ。話を聞いてくれ。」
良君は芽衣ちゃんの言葉に何も返さずに私にだけ話をしてきていた。
まっすぐで私に響く良君の言葉。
逃げたいなんて言えなくなっちゃうくらい真剣で…
笑えなくても泣いちゃっても話を聞かなきゃいけないって思ったんだ。
「石田、言い訳聞かせて紫衣をうまく丸め込むつもりなんでしょう?
紫衣、聞くことないよ。帰ろう。」
だけど私の意志とは反対に芽衣ちゃんの手が私の腕を掴んで私はよろけながら階段を下りることになった。