勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
エレベーターで6階まで上がってまた石野さんに手を引かれて歩き出す。
部屋までの長い廊下を歩きながら外の景色を眺めていた。
「大学が見えます。」
「近いんだよ大学まで。」
「ここが俺の部屋。」
手を引かれ石野さんについて歩きながらも私は景色をずっと見ていた。
そうしないと恥ずかしくて足を進めることも出来そうになかったんだ。
ガチャリとドアを開ける音がして石野さんが私の腰に手を回して部屋の中に入るように誘導してくれる。
「お邪魔します。」
オズオズと足を進めると部屋の中から嶋田さんの元気な声が聞こえてきた。
「いけないんだー!!男の部屋に易々と入るなんて食べられちゃうよー!!」
「キャーッ!嶋田さん何言ってるんですかー!!」
芽衣ちゃん?
どういうこと?
呆気にとられたまま私の後ろにいる石野さんに視線を向けると石野さんはやっぱりクスクス笑っていた。
もしかして....
知らなかったのは私だけ?
「ひどいですー。」