勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
石野さんに向って言葉を掛けると石野さんは申し訳なさそうに話してくれた。
昨夜、石野さんが部屋に帰ると嶋田さんと芽衣ちゃんがいて今日のことはそのときに既に計画されていたこと。
実はこの場所に来るまで走った道はすごく遠回りをしていて歩いても15分くらいな距離しか離れていないこと。
そんな話を聞きながら私はまだ状況についていけてなかった。
「紫衣、ごめんね。」
「さぁ、座って。」
「紫衣。」
順に芽衣ちゃん、嶋田さん、石野さんの言葉。
「みんなの意地悪!!」
私は頬を膨らませて一人掛けのソファーに腰を下ろした。
「そう怒るなって。芽衣ちゃんや嶋田は俺に付き合ってくれてんの。」
「そうだよー。」
「石野一人じゃ紫衣ちゃん呼べないって情けないこと言ったから俺も芽衣ちゃんもデートやめてまでこの部屋に遊びに来たんだよ。」