勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
「おい!!嶋田余計なこと言うなよ!!」
顔を真っ赤にして嶋田さんに話しかける石野さん。
ちょっぴり可愛い..かも..。
いつもとても冷静なカッコイイ石野さんの焦った姿なんてなかなか見ることがない。
とても新鮮だった。
「石野さんでも焦る時あるんですね。」
正直な気持ちだった。
感情的になっている石野さんは珍しく感じたんだ。
そんな私の言葉に石野さんは大きく溜息を吐き出した。
そして言ったんだ。
「俺って紫衣にどんな風に映ってるの?」
「えーと、冷静で冷たくて..だけどとっても熱くて優しくて、それから...強くて...。」
話の途中で石野さんに抱きしめられた。
「嶋田、芽衣ちゃん。悪い...紫衣と二人にしてくれないか。」
石野さんの胸の音を聞きながら私は瞳を閉じた。
だから芽衣ちゃんたちが部屋から出たのを気付かなかったんだ。