勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
「あなたが好きです。
好きすぎて怖い…。」
三成の腕の中でしがみつくようにして彼の胸に頬を寄せた。
「お前は俺のものだと言ったはずだ。
それでいい。俺だけを見ていればいい。」
私の顎に指を這わせ持ち上げられると彼と視線が絡み合う。
彼の顔が近づいてきて私は瞼をソッと伏せた。
落ちてくるのは彼の柔らかい唇。
額、瞼、頬、唇に順に触れる彼の唇。
最後に落とされた唇には触れるだけではなく私の唇を挟み込むようにして深く重なった。
「ん…ふ…」
苦しいからじゃない、私の口からは甘い吐息が漏れる。
そんな私の耳元で彼は小さく囁いたんだ。
「俺のものになれ。
紫衣の全てを俺にくれ。」
その意味がわからないほど私は子供ではない。
だけど、
だけど…怖い…。
首筋に触れる彼の唇。
シュルシュルと彼の手によってほどかれていく帯。
急な展開に頭の中は真っ白だった。
何も考えられないのに恐怖に震える体がガクガクと揺れていた。
瞼を固く閉じて体を震わせる私に三成の手が止まった。
「目を開けて俺を見ろ。」
瞼を持ち上げると瞳に飛び込んできたのは三成の熱い眼差し。
「俺はお前を信じる。
お前だけを信じていく。だからお前も俺を信じろ。俺だけを信じていればいい。」
絡み合う視線。
言葉と共に吐き出される彼の吐息も熱い。
「はい。私はあなただけを信じてついていきます。あなたは私の大切な人…。」
瞳から溢れる涙を止めることが出来なかった。
自分よりも大切だと想える人に出逢ったことが幸せ。
その人の側にいることが出来る私はとても幸せだと思ったんだ。