勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
普段の冷静な彼とは違う情熱的な彼。
ただ体が熱かった。
恐怖心は彼のぬくもりに包まれて薄れていた。
「目を閉じるな。」
私の上に覆い被さった彼から落ちてくる言葉。
瞼を持ち上げると色っぽい彼の顔が近くにあった。
普段の彼からは想像出来ないほどの熱く情熱的な彼の姿は私だけに見せて欲しい。
「あなたのその熱は私だけに見せて下さい。」
彼を独り占めしたくて、独占欲から出た言葉。
「紫衣は俺を縛り付けるつもりか?」
肌を重ねたまま私の体にキスの雨を降らす三成。
触れる度ビリビリと甘い電流が体に流れていた。
体中が熱に侵され頭の中が少しずつ白く塗られていく
頬を伝う涙も熱い。
「俺はもう充分にお前に縛られている。
お前しか欲しくない。」
情熱的な言葉
霞む視界。
掠れる声
甘い吐息
熱い体
「愛しているよ紫衣。
お前しか見えない。」
意識が薄れるなか、彼の声を聞いたんだ。