勝利の女神になりたいのッ!~第1部~


「フフ..紫衣が言ってた通りの人なんだね。ずっとずっと色んな本を読みながら怒ってたんだよ。それはホント自分のことのようにね。」


「うん、見てた。」


「私も一度逢ってみたいなー。素敵な人なんでしょう?逢いたーい!!」


「とっても素敵な人だよ。私も大好きなの。」


「キャー益々逢いたくなるようなこと言わないでよ!!」



クスクスと笑いながら芽衣ちゃんと私の話は尽きなかった。


だけど鋭い視線が私たちの会話を続けさせることを出来なくしたんだ。



ソファーから石野さんと嶋田さんのジットリとした視線。



私と芽衣ちゃんは肩を揺らして目を合わせたんだ。


驚いた。


二人はとっても不愉快だと顔に書いてある。


ソファーに背を向けている芽衣ちゃんは私に軽くウインクをしてから言ったんだ。



「明日、佐和山に行こうか?三成に逢えるかもしれないでしょう?」


言い終わった後ペロリと舌を出す芽衣ちゃん。


きっと嶋田さんをからかってるんだ。


「うん。」


芽衣ちゃんみたいに上手く喋ることが出来ない私は返事を返すだけで精一杯だった。


「じゃ決まりね。明日は愛しの三成様に逢いに行くツアー決行だねッッ!!」



ソファーに背を向けている芽衣ちゃんからは見えないから言えるんだよね?


嶋田さんの今の表情を見て芽衣ちゃんは同じ事を言えるだろうか...。


とっても怖いんだけど...。


あんなに怖い顔してる嶋田さん見たことないよ...。







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