勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
バタンと閉まるドアの音。
ビクリと肩を揺らして私は状況についていこうと頭をフル回転させた。
ウインクしていた芽衣ちゃん。
嶋田さんを妬かせる為にわざとあんなこと言ったの?
呆然と玄関の扉を見つめたまま動けない私もさっきの芽衣ちゃんと同じように石野さんに抱き上げられた。
「きゃッッ」
お姫様抱っこ。
石野さんは軽々と私を抱き上げてソファーにそのまま座ってしまった。
「芽衣ちゃん大成功だな。」
クスクス笑う石野さん。
でも彼に横抱きにされたままの私は笑えない。
すごく恥ずかしい...。
「二人になったんだ。これから時間はタップリあるし何をしようか?」
余裕タップリな石野さんの言葉に私はアワアワとするしかなく言葉が何も出てこない。
それにとっても意地悪な顔してるよ?
石野さん...。
「もう遅いですし、夜といえばすることは一つです。」
沈黙に耐えられず言葉を落とすと驚いたような表情を浮かべる石野さん。
「一つ..。」
石野さんの呟きを聞いて自分の失敗に気付かされた。
「ごめんなさい、二つでした。まずはお風呂に入らなきゃ。」