勝利の女神になりたいのッ!~第1部~


何も話さない石野さん。


彼の温もりを感じて私は次第に瞼が重くなってきた。



紫衣が苦しむ夢を見てから眠るのが怖かった。


ずっと怖かったんだ。


瞼を閉じるとまた苦しそうな紫衣を見るんじゃないかって...。



自分が導いた紫衣の道が険しいものではないかって不安だったんだ。



紫衣はとても幸せそうだった。


お兄ちゃんの側でお兄ちゃんに愛されているんだね。



石野さんと出逢って、彼に惹かれて私もとても幸せだった。


だけど紫衣のことを考えると、その幸せに包まれることにも感じた罪悪感に締め付けられていたんだ。



今はとても幸せだ。


幸せすぎて怖いくらい...。





だから....



とても眠い...



眠いよ。















< 370 / 681 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop