勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
「寂しい思いをさせてすまなかった。」
ギュッと腕に力を込めながら話す三成。
寂しかった、とてもとても寂しかった。
だけど彼の負担になりたくないと思った私は心にもないことを彼に言ったんだ。
「大丈夫ですよ。」
私の言葉を聞いて彼は私の両肩に手を置いて自分の体から引き離すとジッと私の顔を見たんだ。
その彼の表情は眉間に皺を寄せた不機嫌なものだった。
そんな彼の表情を見てからは私の心臓は痛いほどに動き回り彼の顔をまともに見ることが出来なかった。
「もう一度大丈夫だと言ってみろ。」
両頬を彼の手で挟まれて俯くことを許してくれない。
彼を見たまま私に嘘はつけない。
彼を目の前にして寂しくなかったなんて、そんなこと言える訳ないじゃない...。
喉の奥が焼け付くように熱い。
涙が溢れ出しそうなのをグッと堪えたまま私は何も言えなかった。