勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
驚愕する三成。
「もう決めました。」
何かいいたそうな彼の言葉に被せるように私は言い切った。
優しい三成だから驚くのはわかっていた。
だけどね?
あなたに私の嘘がわかってしまうように私だってあなたの優しい気持ちがわかるのよ。
「二人の時は紫衣と呼んでください。」
「しかし...。」
「もう決めたんです!!」
自分を責めないで。
あなたが何も心を痛めるようなことはないのだから...。
「紫衣...」
納得していないのか彼は私の名を呼び、でも言葉は続かなかった。
「あなたの史実を読むと妻はうた一人でした。それは史実が抜け落ちていたのか真実なのか私にはわかりません。だけど私はあなたのたった一人の妻でありたいんです。
側室なんて持たないでくださいね?!」
「はぁ??」
浮気しないでねってこの時代では通じるのかどうかはわからない。
だけど私の言葉に驚いたような声を上げる三成を見て成功かなって心の中でほくそ笑んだ。
「側室を持ってはいけないのか?」
「持ちたいのですか?」
「持ちたくなったらどうしたらいいのだ?」