勝利の女神になりたいのッ!~第1部~



驚かして納得させようと思ったのに...

してやったりってほくそ笑んでいたのに...



側室を持ちたくなったらどうしたらいい?なんて....




そんなの知らない!!


そんな悲しい話になるなんて...

思ってなかった





ジワリと込みあがる涙を堪えることはできなかった。




「俺が側室に入れるのは一人だけだ。」



信じられない彼の言葉に涙は止まることを知らないかのように流れ出した。


側室を入れるって、イヤだ。


だけど、そんな私の常識がこの時代に通用するわけがないのはわかっている。



「側室の名は...。」


「イヤッッ!聞きたくない!!」



両耳に掌をあてて塞ぎながら叫ぶ私を三成はクスクスと笑いながら抱きしめた。



「お前だよ、紫衣。」



「え??」



「大方紅葉の入れ知恵なのだろう?うたを名乗ることは。
それならば、俺の考えはお前たちの優しさに甘えるとしよう。
だが、紫衣がいなくなっては俺は困るのだ。」


「どうしてですか?」


最後の困るという言葉を不思議に思った私は彼に尋ねた。



「それは...」





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