勝利の女神になりたいのッ!~第1部~


「それは、俺が男だから。」


佐和さんの声はキッパリとしていて、その表情も真剣そのもの。


だけど私に佐和さんの言ってる意味はわからなくて、


「どうして男だから我慢なんですか?
違いがよくわからないです。」


私も我慢した方がいいのかなって疑問を口にした。


「男と女は違うだろ?」

「気持ちがですか?」


「そうじゃない、体が。」


「はい。」


「だから、男には我慢が必要なんだ。」


「??」


「さっき教えたよな?
俺、男だからわかんねぇけど…
痛いんだぞ!
めちゃくちゃ痛いって聞いたぞ!」


頬を赤く染めながら必死に言葉を紡ぐ佐和さんは真剣で、だけど…


「芽衣ちゃんはその痛みも幸せだからって言ってました。」


反論してしまった。


私の言葉に佐和さんはもう言葉を返すこともなく、またギュッと瞼を閉じる。


今度こそ、嫌われちゃったかもしれないって心臓がバクバクと激しく動き出した。



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