勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
「良君に電話をして。」
私の言葉を最後は誰も否定しなかった。
向き合わなきゃいけないって想いを理解してくれた。
その上で守ると言ってくれる佐和さんに感謝の気持ちでいっぱいだった。
だから良君と向き合うために私は彼と逢うことにした。
もしも、あの夢が正夢だったら真衣ちゃんも悲しませている。
とにかく真実を話して謝るって事だけで私の心はいっぱいだったんだ。
「約束の日、俺も一緒に行くから。」
「でも…。」
「俺が行きたいから駄目だと言っても無駄だからな。」
良君と逢うということが決まってから佐和さんは毎日のように同じ事を何度も何度も口にする。
佐和さんが一緒に来てくれるのは心強いと思うけど…。
それじゃいけないって思う気持ちもあって毎回、私も応えられずにいた。
「紫衣って強情だな。」
「違います。」
「俺ってそんなに頼りないか?」
「違う!」
「じゃあ着いて行くぞ。」
「それは…」
毎日同じ言葉の繰り返しに佐和さんの機嫌はどんどん悪くなっていった。
どんな時でも一緒にいたいって気持ちは変わらない。
芽衣ちゃんに話したときも佐和さんがいてくれて心強かった。
けど、良君だよ?
佐和さんが嫌な気持ちになるんじゃないのかな?
私の気持ちは別として、良君は私を紫衣だと思ってるんだよね?
って事は元カノに逢いに来るんでしょ?
それって佐和さんどう思うかな?