勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
大好きで大切…。
心に響く言葉。
だからといって、佐和さんの気持ちを知っても解決はしないよ…。
「気持ちが同じなら尚更平行線になっちゃうよ。」
どちらも譲れない想いなら難しいよね?
「どうして?」
「お互いに絶対に譲れないところでぶつかってる?から…。」
「そんなの簡単じゃない!紫衣が譲ればいいんじゃない!」
「でも、それじゃ…。」
佐和さんがいい気持ちしないんじゃないのかな?
芽衣ちゃんとだって平行線なんだもの。
わかりあえっこないよ…。
黙り込んだ私に芽衣ちゃんは大きく溜息をついた。
私も芽衣ちゃんの溜息を聞いて同じ様に大きく息を吐き出す。
部屋は重い空気に包まれて息苦しさを感じる程で、だけど私達はお互いに口を閉ざしたままだった。
大切だからこそ譲れない気持ちってあるんだ。
良君と逢うことで佐和さんが傷つくかどうかはわからない、だけど不愉快になるのは絶対じゃないのかな?
「紫衣は石野さんが元カノと二人で逢うの平気?」
唐突に問いかけられた芽衣ちゃんの言葉に私は驚き、そしてスゴく悲しくなった。