勝利の女神になりたいのッ!~第1部~


「とても不思議な話なのですが、どうか信じていただきたい。」


左近は話しにくそうに前置きをしてきた。


口数の少ない左近。
要件と結果のみを重要視する左近には珍しく歯切れが悪い。


「よい、ありのまま話せ。」


俺は左近の話を促すように答えた。


「はい、娘と初めて出逢ったのは城に帰り殿に強引に娘にあって欲しいと進言した日のことです。竹やぶの中で倒れている娘は体が光に包まれて輝いておりました。」


「よい、その話しは聞いた。その後を話せ。」


あの夜、急に訪ねてきた左近が何やら俺と娘を引き逢わせたがっていたが連れてこず事情が変わったと書状を送ってきたのではなかったのか。


俺の聞きたいことは、そんなことではない。


「城から娘の寝ている小屋に帰ると娘は幼子に姿を変えていたのでございます。」


「幼子とはいくつ位なのだ?」


「助けたときに娘は18歳だと、しかし姿は5歳の幼子になっておりました。心は18歳のまま姿だけが5歳の幼女になっていたのでございます。」


5歳?


河原で逢った紫衣と同じ年頃だ。


紫衣なのか?







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