平安物語=短編集=【完】



女房がそう言うやいなや、歩いて来る人の気配を感じました。


――何てこと!!

院がお忍びで…なんて、容易ではないでしょうに。

それにまだ支度が…。


重い体を起こして身支度を整えようとするのも甲斐なく、御帳台の帳がめくられました。


「宮…。」


――院………



< 133 / 757 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop