平安物語=短編集=【完】



「どうしたのです?」

優しくそう仰って、私の体を起こすのに手を貸して下さいます。

私の心臓は、病のせいではなく、これから申し上げる事への緊張で速鳴ります。


「院…ご存知でしたか?

………

私が、もう何十年も、院を心からお慕いしておりますことを…。」



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