平安物語=短編集=【完】



――女は、所詮血筋…。


私の実の母上は、中流貴族の生まれでした。

それでも奥ゆかしく優しい御気性から、身分の高い父上の愛人となったのです。

父上には北の方がいらっしゃいましたが、そちらには御子がおらず、母上には私が生まれました。

後宮政治に乗り出したかった父上は…私を帝の妃にしようと目論みました。

そのためには、身分の低い母上の所には置いておけない…。

そうして私は、父上と北の方の本邸へと引き取られたのでした。



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