平安物語=短編集=【完】



「そして何より…

体にだけは、気をつけなさい。

具合が悪い時には、すぐに便りを出すように。

良いですね…」


「お父様も…

お体をおいといくださいませ。」

なんて優しい子なのか。

いつぞやのように、自分の不安は二の次に、私の心配をしてくれる…。

こんなにも愛しい娘を、わざわざ手元から離して入内させる事を少し後悔した。



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