平安物語=短編集=【完】



中宮様の御前を下がった後、私は妹と共にくつろいでいました。

辺りはもう暗くなっていて、月が出ています。


「お姉様、中宮様って少し怖いと思いません?」

「まぁ、あなたはまたそんな事を…つつしみなさいな。」

「だって、なんだかとっても冷たい空気を纏っていらしたわ。」


妹の勘の良さにはいつも驚かされます。



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