平安物語=短編集=【完】
尚仁が心配で諫めたく思いながらも、立派な一人前の男が父親から注意を促されるというのも不愉快だろう…とも思い、
弘徽殿の中宮が必死で説得に当たってくれているという話だから、そちらに任せておくことにした。
そしてこちらでは、祟りだなんてものの気配すらなく、気が抜けるほどの安産で姫が生まれた。
期待通りに中宮がなだめてくれ、また姫が母子共に無事に生まれたことから、例の貴族二人はしばらくの謹慎だけで済んだ。