平安物語=短編集=【完】
翌朝お見送りした後、また少し沈んでしまいます。
しかし、
またしばらくお越しは無いだろうから、昨日までの自分に戻りたい
と思って、女房達を近くに呼び寄せてお喋りを聞いて過ごしました。
しかし、お手紙が届けられて、
「…今夜も、いらっしゃるご様子です。」
と私が言うと、驚いたようにしながらもニコニコと片付けなどを始めました。
二日連続でいらっしゃるなんて、初めてのことだわ。
こういう心境に変わった頃を見計らうかのようだこと。
一体、私にどうしろと仰るのだろう…
そう思う一方で、心の隅で嬉しいと感じている自分が情けなくて仕方ありません。