平安物語=短編集=【完】



それから一旦姉上は内裏に戻られ、私の産み月の弥生に、また帝に無理を申し上げて帰っていらっしゃいました。

お産は穢れとされていますので、三の宮は参内されました。

お産を経験済みの姉上にあれこれ伺って、お産に臨みました。



どうやら私は世に稀に見る安産型らしく、驚くほどすんなりと産まれてしまいました。


その御子は――


女の子でした。



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