平安物語=短編集=【完】



世間を騒がせないよう、十人ほどの女房だけを連れて参りました。

お部屋に通されてしばらくすると、院がいらっしゃったようです。


そのお姿を見て、ハッとしました。

帝の面影を見たのです。

帝は亡きお母君似と伺っておりましたが、そうは言ってもやはり、目つきや体格、雰囲気がそっくりなのです。


思わず動揺してしまった心を無理に鎮めて、ご挨拶申し上げました。



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