平安物語=短編集=【完】



「え…」

そのまま組み敷かれて、院はお召し物を脱ごうとなさいます。


「院、私は姉上ではございません。
妹ですわ。」

寝ぼけていらっしゃるのかと思って慌てて申し上げると、

「分かっています…
でも、あなたはあの人の面影を持っていらっしゃる…」

と、一筋の涙を流されました。

帝によく似たお顔で…



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