平安物語=短編集=【完】
秋の陽は釣瓶落としとはよく言ったもので、もう辺りは暗くなってしまいました。
うとうとしてしまっている者もいますし、女童などはその場にうつ伏せて眠ってしまっています。
「なんだか、はしゃぎすぎて眠くなってしまったわ。」
あくびをかみ殺しながら女房が言ったのを合図に、段々人が減って行きます。
私もうつらうつらしていたので、
「姫様も、もう御帳台にお入りあそばせ。
随分質素な御帳台ですけれど。」
と侍従に促されて、眠たい体を引き起こして御帳台に入りました。
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