平安物語=短編集=【完】
***
「全く…もう退出致せ。」
その言葉にハッと我に帰ると、父帝が呆れたように笑っている。
「新婚の姫君が気になって、さっきから上の空だろう。
もう下がって良いから、逢いに行きなさい。」
「あ…はは。
申し訳ございません。」
父帝の寛大な御言葉に素直に甘え、御前を下がろうとした。
「和仁。
…本当に愛しい女(ヒト)を、全力で守ってあげなさい。」
…亡き母上のことか。
「肝に銘じます。」
そう言うと、父帝は少し寂しげに笑みを零した。
「全く…もう退出致せ。」
その言葉にハッと我に帰ると、父帝が呆れたように笑っている。
「新婚の姫君が気になって、さっきから上の空だろう。
もう下がって良いから、逢いに行きなさい。」
「あ…はは。
申し訳ございません。」
父帝の寛大な御言葉に素直に甘え、御前を下がろうとした。
「和仁。
…本当に愛しい女(ヒト)を、全力で守ってあげなさい。」
…亡き母上のことか。
「肝に銘じます。」
そう言うと、父帝は少し寂しげに笑みを零した。