平安物語=短編集=【完】
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「…はい、お言葉に従うよう努めます。」

「私も、出来る限りの手助けをしましょう。」

そうおっしゃって大君は、物憂げに溜息をつかれました。

ご迷惑をおかけしている事を謝罪しようと口を開きかけた時、

「お方様、式部卿宮様がどうしてもお話をと仰せです。」

と声がかけられました。

大君はにっこりと微笑まれて、

「さっそく、頼りがいのある御様子ですこと。
お通しして頂戴。」

とおっしゃいました。



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