平安物語=短編集=【完】



そうして十四歳の時に、五歳年上の東宮様に入内致しました。

頂いた御殿は飛香舎、別名藤壺です。


初めてお逢いした時のことは忘れも致しません。

見たこともないような美しく逞しい方が、優しく微笑んで迎え入れてくださいました。

しかしそのお目には、「無関心」という言葉が浮かんでいるかのようでした。



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