長閑【短編集】


「ていうか何でマルの散歩のはずが四つ葉のクローバー探しになってんだよ?」

「だってこんなにクローバーあるんだからどっかにありそうでしょ?」

彼女なそう言ってまた地面の草とにらめっこだ。

俺は隣で暇そうにしているマルを覗き込んだ。


「お前も可哀想に。」

「くぅん」

マルは小さく鳴いた。

「ほら、あんたも探すの!!」

「はいはい。」

俺は彼女の言葉に従ってしぶしぶ草を見渡した。
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