長閑【短編集】


俺は彼女から五つ葉をひったくり、

葉っぱを一枚ちぎった。

「え!!ちょっと何やってんの!?」

「ほら、四つ葉になった。」

「そういう問題!?罰当たりー!!」

…なんでそこまで言われなきゃいけねーんだろう。

「いーじゃん結果四つ葉になったんだし、幸せが来るよ。」

「五つ葉を四つ葉にしたんじゃない!!かなり無理やりな気が…」

「バーカ。」

「誰かバカってー?」

俺は彼女に四つ葉を渡した。

「幸せには二種類あるんだよ。」

「へ?」

「見つける幸せと自分で作り出す幸せとな。」

彼女はしばし呆然としていたが納得したように四つ葉を見つめていた。


「ほら、帰るぞ!!
マル起きろ!!」

俺はマルを叩き起こし右手にリードを握った。

ちなみに左手は彼女の手専用。


その手の中には自分達で作り出した幸せが入っている。


俺はそれを包み込むように握った。




クローバー end.
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