長閑【短編集】
「…何?」
「……いや、別に。」
また娘の言葉が胸に刺さった。(苦笑)
俺らを見ている女房は台所でクスクス笑っている。
笑い事じゃないぞ。。
チン
「あっ俺のパンとってくれ。」
「自分でとれば?」
「…………。」
頼んだ俺がバカだった。
「はい。」
結局女房が俺の食パンを持ってきてくれた。
俺ため息をつきながらパンにバターをつけていると突然息子が立ち上がった。
「じゃあ行ってきます!!」
「今日は早いな。」
「言ったじゃん。ウサギの飼育係になったんだよ。」
息子は自分のランドセルを背負いパタパタと駆けていった。
…途端に食卓に沈黙が訪れる。