長閑【短編集】
そして次の日もその次の日も、
平日で私のゴミ捨ての作業がある限りは少女と会うことになった。
「おはよう。」
私は挨拶に慣れてきたのだが少女の返事は相変わらずか細いものだった。
「おはようございます。」
私は嫌われているのかとも思ったりしたが返事が返ってくる事を考慮すると、それは被害妄想かもしれない。
…私は学校へ行く少女の後ろ姿を見ていて、新たな疑問を抱いた。
何故一人で登校しているのだろう?
他の小学生はみんな色とりどりのランドセルを背負って友達と楽しそうに登校しているのに。
私は俯いたまま学校に向かう少女をしばらく眺めていた。