長閑【短編集】
「見てもいいよね?」
妹は私に聞いた。
「うん…多分。。」
妹が一ページ目をめくった。
「風景画だ。」
私はぼそりと呟いた。
お姉ちゃんは絵を描くのが好きだった。
大抵は風景画で特によく描くのはー…
「「桜。」」
お姉ちゃんのスケッチブックは桜の絵で埋め尽くされていた。
水彩の絵の具で塗られた綺麗でほんわかした色づかいに見とれ私達は少しの間無言になっていた。
そして妹の手が最後の一ページをめくった。
「あ。」
私は声をあげた。
スケッチブックの最後のページには幸せそうに笑う三人姉妹の絵が描かれていた。
後にそのスケッチブックは
私と妹の宝物となる。
スケッチブック end.