長閑【短編集】
ビー玉
「あれ?まだ見つかんねーの?」
ひたすら同じ場所を掘り続ける隼人に祐樹が聞いた。
「いや、確かにここのはずだ!!」
「…ホントかよ。」
俺はぼそりと呟く。
「だって地図には書いてあるし!!」
すかさず隼人が反論する。
「地図?この汚ねー字が読めるかよ。」
隼人は祐樹の吐き捨てるように言った言葉にダメージを受けたらしく、スコップを持った手を止めた。
「…でも俺らも記憶ねぇしな。」
俺がため息混じりに言うと二人とも頷く。
こんなので本当に見つかるのか。