長閑【短編集】
風鈴
それは綺麗な音をたてて風と共に揺れた。
「親父ー何やってんだよそんなとこで?」
だがその音色は愛する息子の声でかき消された。
「風鈴で涼しんでたんだ。」
「…あぁそれが100均で買ったやつ?」
「余計な事言うなよ。。」
お陰で何だが暑くなってきたじゃないか。
「そんな縁側にいるよりクーラーきいてる部屋にいる方が涼しいと思うけどな。」
「…えらく現実的な奴だなお前は。一体誰に似たんだ。」
「さぁ?少なくとも親父似じゃないよ。」
…なんか今日はいつにもまして生意気な事を言う奴だ。