長閑【短編集】
ぼくが白い線から出ようかと思ったとき、
後ろからスッと知らないお兄さんが出てきて自転車を横に運んでくれた。
ぼくはお兄さんに聞いた。
「お兄さんの自転車?」
「え?違うけど…。」
「じゃあどうしてずらしてくれたの?」
お兄さんは頭をかきながら言った。
「さっきから君の後ろにいたんだけど線に沿って歩いてるんだろ?それでこの自転車が邪魔してたみたいだからさ。」
お兄さんはぼくに優しく笑いかけた。
「そっか、ありがとう!!」
「うん。頑張ってね。」
ぼくは障害物がなくなったばかりの線の上にまた足をふみ入れた。
ぼくは優しいお兄さんに救われた。
ぼくのレベルは2上がった。
そして、ぼくは再び前に進んだ。