まだ、すき
そして、そっと唇と唇が触れた
柔らかく触れて、すぐ離れた
あたしは物足りなくて え?って顔してたら
また唇が触れて、舌が入ってきた
舌と舌が絡み合う
お互いの首が疲れ、唇が離れたときには
もう観覧車が着くところだった
なんか恥かしくて、ずっと黙ったまま降りて
今までどおりに手を繋いで歩いて
「えへへ…」
「…へへへ」
照れ笑いするしかなかった
「ど…どーしよっかこの後!」
「ああ、門限大丈夫??」
「あそっか!門限があったの忘れてた!そうだね、じゃあそろそろ帰ろっか!」
「お、おう!」
ぎくしゃくしたまま帰宅する事になったあたし達
でも、電車に乗る頃にはまたいつも通りに戻っていた
あたしの駅で一緒に降りてくれて、家の前まで送ってくれた
そこから直人の姿が見えなくなるまでずっとずっと見ていた。
曲がり角の所で直人も後ろを振り返ってくれて、手を振ってその角を曲がっていった