暗影の国のアリス

本能だろうか
頭の中で逃げた方がいいといっている
でも、思いとは裏腹に動けなかった

アリナ
「…本が…しゃべ…って…る?

真っ暗になった教室で
声は聞こえ続ける

『おいで、おいで
 アリス
 はやく、はやく
 鍵をさがすんだ
 だめ、だめ
 女王様がみているよ』

なにがなんだかわからない
ハッと前を見ると
電灯の光が少しだけ射し込んでいる

アリナ
「……!?

━資料室のイスになにかいる…?

アリナ
「だ…だれ…?

声が震える

???
「……

なにも答えない
もう聞かなければいいものを
わたしは

アリナ
「……だれ…?

聞いてしまった
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