罪線シンドローム
第一章
−−あれから毎日、来る日も来る日もあの公園に足を運んだ。


しかし、彼はなかなか姿を表さない。


そんな時には、いつも私が求めて止まない月光さえ、モノクロに映し出される。


「桜の木は……」


……こんなにも色鮮やかに映っているのに……だ。

私は寂しかった。

彼と出会って、寂しさを委ねようとしたのに、それは彼と出会う前より増して行った。


……じゃあ、この膨れ上がる気持ちは、どこに置けばいいのだろう。


私は辺りを見回した。


しかしそこには誰もおらず、私を受け止めてくれるものもない。


「……桜……」


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