罪線シンドローム
そんな中、警官が熱の無い音を、その口から漏らした。


どうやら、人を探しているらしい。


背丈は180cm前後……


黒っぽいパーカーに迷彩柄のズボン。そして……

……左手に巻かれた包帯。


私はこう答えた。


「……知らない」


嘘。でも嘘じゃない。


だって、知らないもの。

知りたいけど、私は彼を知らないもの。


「教えてよ」

彼は一体何者で、どこで何をしているか。


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