罪線シンドローム
夜のベンチは、私を捕まえて離さない。


「行かないで。一人にしないで」


と、泣いて縋る。


私は求められてるんだ。


誰に求められる事もなく過ごしてきた、21年の歳月が、ここでだけ癒される。


求め続けるだけだった、私の人生を。


悪い事ではないでしょう?


誰だって求められて生きていたい。


嘆き続ける私の心に、何かを注いで欲しい。


私は、求められる事を、求めている。


< 2 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop