罪線シンドローム
それから私は、来る日も来る日もあの公園に赴き、男と同じ闇夜を纏った。

しかし、どうしても彼との距離が縮まらない。

そんなじれったさに加え、傍らに佇む女の近さが余計に苛立ち、

"キリリッ"

と、歯軋りが出る。


腹が立つ。


憤る。


今まで生きて来て、感じた事のない感情が、私を完全に支配する。


「……」


私は初めて気付いた。

嫉妬、憤怒、歪み……

それこそが、"恋"の正体なのだと。


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