罪線シンドローム

棚田ヨウコ

私はまた今日もあの男に会いに来ていた。

相変わらず彼との距離、彼女に対する嫉妬の念は変わらないが、それでも良かった。

漆黒の闇夜を纏うだけで、彼と揃いの服を着ているような……彼と共に生活を送っているような気持ちになれた。


相手がどう思っていようと、彼女がどう思っていようと関係はない。

彼は今……わたしだけの彼へとなっていた。


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