罪線シンドローム
「……アイツの事、もっと知りたくないか?」


決して高いとも、また低いとも言えない中性的な男の声が背後から聞こえた。


知りたくないハズはない。


「何か……知ってるん……ですか?」


普段から他人との会話に慣れていない私の声は、吃り気味だ。


「あぁ、知っているよ。アイツの事ならなんでもね。」


いつも公園に佇んでいる彼とは違い、この男には何となく近づき易さがあった。


「教えて下さい……」


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