罪線シンドローム
――歩き初めて15分くらい経っただろうか。街灯もない道を進んでいると、橋浦は立ち止まり、


「目的地は、あそこだ。」


と言うと、古びたアパートを指差した。


「あそこ……ですか。」


本当に古びている……と言うより、半分廃墟と化していると言った方が適当だろう。


「あぁ、悪いね。ちょっと汚い所だけど、一応俺の部屋だ。」


正直あそこに入る事すら躊躇うが、踏み入れない事には、話が進まないだろう。


「……気にしていません。」


私は橋浦の部屋に入る事にした。


< 40 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop