罪線シンドローム
橋浦がドアを開け、中に入ると、そこには雑然たる光景が広がっていた。


90cm四方程のテーブルに、ビールやチューハイの空き缶がひしめき合っていて、床には惣菜やお菓子などのゴミが散らかっている。


外観同様、ハッキリ言って汚い。が、壁紙の白さや、さほど臭いが強くない所を見ると、最近ここに住み始めた事が良く解る。


話を始める前に、是非ここを片付けて頂きたい……なんて考えていると……


「ごめんよ。今少し片付けるから。」


「……。」


私の心を読んだ様な橋浦の行動に、少し驚く。

まぁ、これから話をするのだ。その方が居心地も良いだろう。


驚き半分、少しホッとした。


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