罪線シンドローム
――橋浦が部屋を片付け始めて、20分くらいが経過した頃、おおよそ満足が行ったのか、橋浦が手を叩き、こう言った。


「……よし、こんなもんかな。」


私の目からみれば、大して片付いた様には見えないが、まぁ……座れる位にはなった。

妥協点には達している。


「……綺麗になりましたね。」


お世辞もいいところというのは相手にも見え見えだ。しかし、橋浦は安堵の表情を浮かべ、話し始める。


「……じゃあ、君の望み通り……」


……いよいよ……だ。


「あれは二年前の事――」


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